「大丈夫?西村華乃」
体温計を持ってきてくれた長谷川くんがベットの隣の椅子に腰掛けた
「うん。ありがと」
「風邪?なんかしたの?雨にでも打たれた?」
「いやぁ…心当たりないよ」
カッターシャツのボタンを外して体温計を入れる
うわ、汗でシャツがちょっと湿ってる
気持ち悪いな
襟元を持ってパタパタと仰ぐ
「あ、そういや、長谷川くんは昼休み潰れちゃってるけど大丈夫?」
「…」
ん?
長谷川くんはなぜが唇をぐっと噛んで一点を見つめている
ん?私のこと見てる?割には低いな視線が
「長谷川くん?」
「え、あ、…なに?」
?
「だから昼休み…」
「あ、ああ大丈夫。西村華乃の方が心配」
なっ!
心配とは
「そんな無防備で大丈夫なの?」
「無防備?」
なにが?風邪?
マスクしろって?
誰かから移ったわけではないと思うけど
まあうつすかもしれないからマスクしたほうがいいかな?
「あ、いや、無防備って風邪の事じゃなくて」
ん?
「あーくそ、ごめん俺何言ってんだか」
どうしたんだ
「とりあえず熱測り終わったら言って…まともに話ができねぇ」
ん?
熱測るのに集中しろってことかい?
長谷川くんは顔を背けて片手で口元を覆い、もう片手を前に出して何かを隠すようにしている
なんだなんだ
挙動不審だな
とりあえず…体温計がピーッと言うのを待った


