爽やか王子の裏側は

西村side


一通り話終わった園川くんの目には影がかかっていた


吹っ切れた人がこんな表情するだろうか


それと…


今の話を聞いて引っ掛かった点がある


「本当に、園川くんは長谷川くんと関わらなくていいって思ってるの?」


「うん。そうだよ」


「だったら…なんで高校で陸上部に入ってるの?」


「!」


おかしいでしょ


あれだけ言われてやめるって言い張って


なのに


高校はちゃっかり陸上部に入ってる


矛盾だ矛盾



「…それ…は」


視線を泳がせてもごもごする


「…他に入る部活が…」


「長谷川くんに言われた事を意識してるからじゃないの?」


「…っ」


「もう関わらないとか言って陸上部に入ってるのは長谷川くんの影響を受けてないわけないでしょ」


「痛いとこツくね…西村」


「見てればわかるよ。それに昨日見た園川くんめちゃめちゃかっこよかったから、走るのが好きなんだなって思った」


「…なにそれ笑…カッコよかったらそれが好きってことになるの?」


うん


…やってる姿が楽しそうだからかっこいいって…


やってる姿が…?


かっこいい…





「園川くん。長谷川くんて転ぶ時に指を庇ったって言ったよね」


「え、うん」


…そうか


そういうことか


振り向いてピアノを見る



…長谷川くんは指を守った


そして、昨日見た長谷川くんのピアノを弾くかっこいい姿