ここって一体どこのお屋敷?
「愛実は来たことがなかったな。
ここの家はな、翔哉の・・・篠田家の家だよ」
へ!?
ここって翔哉の家だったの!?
「はぁ。なんでここに来たんだよ」
「いいじゃねぇか。兄貴も今日はここに来てるんだよ」
え?
伊蕗にぃも今いるの!?
「マジかよ」
「マジだ。どうせ、もう夜だし
ここが近かったんだからしょうがねぇだろ?」
「だからって、何も俺の実家じゃなくても・・・」
「当然愛実は三ツ谷の家に連れ帰る
だから、お前だけ」
「ざけんな。愛実は俺といるんだよ」
へ?
ぐいっと車から引っ張りだされたあたしは
翔哉の胸に飛び込む形になってしまった
「愛実のそんな顔。俺も初めて見たわ」
「お前にも見せたくねぇな」
「ひでぇ男だな」
「お前に、言われたくねぇ」
??
よくわかんない。京にぃと翔哉の会話の内容なんて
「早く行け。どうせまだ
兄貴も中にいるんだ」
「あぁ。今日は助かった」
「いや。愛実のためだ。
愛実が他の男と一緒になるのも
深瀬に戻るのも、俺は認めたくなかっただけだ」
「そうかよ。じゃあな」
そう言うと車は篠田家を出て行って
あたしは翔哉に手を引かれて家の中に
入ることしかできなくて



