「翔哉。愛実に決めて貰ったらどうだ」
愛実に・・・?
「そしたら、お前が悩んでても
愛実が決めたことなら、一緒に生活もできるだろ?」
「あぁ」
愛実を離そうとするが、離れることのない腕
「愛実が寝ぼけてでも、甘えてもらえる存在
にまでなってるんだ。寮に残してる方が、俺は心配だ」
!?
「確かに。この学園に兄貴はいる。だけどな?
兄貴も愛実を守り切れるわけじゃねぇ」
そりゃそうだ。
伊蕗さんは、理事長という立場の人間だ。
いつでも守ってもらえるなんて思わない方がいい
「愛実も寝てる。
車をよこしてるからそれに乗って愛実も、連れて帰れ。
昨日1晩お前がいないってだけで
愛実、全然寝てねぇんだよ」
!?
「じゃあ、会長室にあったあの課題は」
「俺と一緒に居たからな。兄貴も頼み込んで
課題を終わらせてくれさえすれば、単位は出すらしくて」
それで、あの量?
多くないか?
「多分、愛実は課題を俺と終わらせてから
ずっと寝てんだろうよ」
!?
「悪い。京介」
「いや。可愛い妹の為だったらこれぐらいの協力はするさ」
可愛い、妹か



