「そして、愛実が中学に上がった時だ」

中学・・・?

「俺たちが最も信頼していた執事が
夜中に。しかも愛実が寝ているのを知っていながら
襲おうとしていた」

「!?」

「愛実の部屋には、今でこそ寮だからセットしていないが
防犯設備を整えてある。それが作動したんだ」

嘘だろ!?

「未遂で終わったからよかったものの。
防犯がなり、暗い中で嫌いだった男を見た愛実は
そこから、人見知りを発症。
俺たちは、人見知りも、男性恐怖症もある愛実を
これ以上、危ない目に合わせたくなくて
お袋と相談して、高校までエスカレーター式の女子高に通わせた」

そんなことが・・・
でも

「その襲ってきた男は」

「当然、執事として失格。三ツ谷家にはいらない存在として
愛実を傷つけていた執事やメイドたちと同じようにクビにした。
だけどな?それで納得していない
メイドたちは、執事たちと辞めた後も
連絡を取り合ってたみたいでな」

まさか、

「お前の思っている通り。
学校帰りの愛実を、監禁したんだ。
監禁して、レイプして、罵って、捨てるつもりだったらしい」

「マジかよ・・・」

「警察にはすぐに通報。
愛実のバッグにも、肌身離さず持っていた、
アクセサリーにもGPSを仕込ませたんだ。
そのおかげで愛実は未遂で済んだものの
男性恐怖症は悪化。俺も京介も、親父も、三ツ谷の執事たちも
愛実には恐怖の対象でしかなかった。
唯一、あの時愛実が気を許していたのが
今のメイド長とお袋だけだった」