「いつでも出来るよ、これからずっと……」
彼は静かに雑誌を閉じて煙草を消す。
「そう……だね……定期的にって言われたし、そうする……」
冷えきったミルクを飲み込むと、口内に甘みの強い味が纏わりつく。
思わず怪訝な顔を浮かべた目の端で彼が此方を見つめるのを捉えていた。
何か言い足りないような素振りで指を弾く仕草を眺め、時間だけが静寂と共に通り過ぎて行く。
「朝に、なりそうだね……」
耐えられずに声を掛け、飲み終えたカップを枕元に置いた時。
かさついた手が掴んだと同時に身体が一気に傾き、耳元に熱が帯びて絶えず鼓動が響く。
唾を飲み込む音が聞こえ、震える息を吐き出しながら彼が告げる。
「俺と一緒に居て欲しい……
茅紗のこと大事にして行くから……これからも……」
確かめる間も無く顔が近付き、自然に交わす唇は止められなかった。
その手が頬に触れて静かに顔が離れていく。
「好きだよ……茅紗」
「私も……安田さんが……好き……」
やっと口に出来た言葉を彼は恥かしそうに笑い、それを誤魔化すみたいに言った。
「また、あのハンドクリーム塗って貰っていい?次の日、調子が良いから……」



