もう噂されてる事に驚いた。中学頃もそういう事はあったが入学してしばらく経ってからだった。

話しているとあっという間に10分が経ち、最初の人がいい感じの人だったのでその後の人も順調に話すことができた。

チャイムが鳴り2時間目が終わった。

「未桜普通に話せてたね」

怜が後ろに振り返った。

「うん!隣の人が話しやすかったから緊張とけた!」

「へー隣の人…春野か。確かに話しやすかったね」

と他の男子と話している春野くんの方をちらっと見て言っていた。

晴ちゃんの方を見るとどうやら新しい友達ができたようで楽しそうに話していた。

「さすが晴ちゃんだ」と思った。

晴ちゃんは話の一段落が着いたようで私達の元へやってきた。

「未桜〜ちゃんと話せたー?」

「うん!話せたよっ」

「おー!よかったよかった」

「うん。よかったね」

と怜も言っていたが少し機嫌が悪くなったようにも見えたが目が合ったら微笑んでいたので気のせいのようだ。

後は軽く30分単位で国数英のテストを行ったら終わりだ。中学の復習みたいな内容なので簡単そうだ。

3時間目が始まり3教科分の問題が配られた。自分で時間配分を決めてやるみたいだ。

問題を見ると特に難しい問題もなく難なく解くことができた。

チャイムが鳴り下校の時間となった。

「はぁー。つかれたぁ。未桜、怜!駅前に新しくパンケーキ屋できたらしいから食べに行こうよ!」

晴ちゃんは食べ物が大好きなのでそういう情報が早い。私も怜もよく晴ちゃんが行きたいカフェなどのご飯屋さんによく付き合う。

「うん!行こいこっ」


私達はパンケーキ屋に向かった。どうやら新しいお店なので混んでいたが40分くらい待ったら入ることができた。

「全部美味しそー!何食べようか迷うっ」

晴ちゃんはとても目を輝かせてメニューを見ている。

「んね!私も2つまで絞ったけど悩むなぁ怜は決めた?」

「んー。未桜食べたいのこれとこれでしょ?」

と私が食べたい抹茶のブラウニーパンケーキとストロベリーパンケーキを指さした。

「そう!よく分かったね!」

「未桜いつも選ぶの同じような物だもん(笑)」

「ちょっとぉ〜私もいるんだから二人の世界入らないでよー?」

メニューを決めた晴ちゃんが話に入ってきた。

「入ってないよ!(笑)」

「もーならいいんだけどっ怜だけじゃなく私にも構ってね!」

「構うって(笑)」

「それより決めたー?」

「まだー!うーん。どっちにしようかな…」

私はどっちも食べたく悩んでいると

「俺抹茶頼むから未桜ストロベリーの頼みな。半分こしよ」

「え!いいの!でもいつも私の食べたい物ばっかじゃない?」

優柔不断な私はいつも2つ3つまで絞れるがそこから進めずに悩んでいる。

そういう時怜は毎回半分こしよって言って私の頼みたいものを頼んでくれる。

「うん。大丈夫。俺も同じの食べたくて悩んでたから」

「ほんとにー?」

と言うと本当にと頷いていたのでこの2つを頼むことにした。

晴ちゃんはチョコブラウニーのパンケーキにしたようだ。 パンケーキを待ってる間部活のことを話していた。

晴ちゃんは中学ではバスケ部に入っていたが高校はバドミントン部に入ろうと思っているらしい。

バスケをしている晴ちゃんは周りの女の子も惚れそうなくらいかっこよかった。

あの頃の髪型はショートカットだったが今は伸ばしてボブくらいの長さになった。

私と怜は弓道部に入っていた。怜は高校でもやるのか聞こうと思ったらお待ちかねのパンケーキがやってきた。

「美味しそぉ!!早く食べよ!」

フォークとナイフを配った。

「「「いただきまーす」」」

パンケーキを切ってみると生地はとても弾力がありふわふわだ。抹茶アイスにつけ食べた。

「んーっ!美味しい!ほっぺた落ちそう」

味は滑らかでパンケーキの甘さと抹茶アイスの渋さがすごく合っていた。

「これすごいふわふわで美味しい!幸せ〜!」

両手で頬を触り幸せそうに笑っている。

幸せそうに食べてるのを見るとこっちまで幸せになってくる。

怜も静かだが結構な甘党でパクパクと食べている。どうやら気に入ったようだ。

「未桜、こっち食べ終わった」

「え、もう!?早いなぁ(笑)はい、こっち全部食べていいよっ」

まだ3分の1までしか食べてなかったが私は食べるのがゆっくりだし怜も気に入ってるようなので全部あげた。

「いいの?ありがと」

怜は普段表情や声色にはあまり感情がでないが本当に喜んでいる時は微かに声色が明るくなる。

(2人とも喜んでるみたいで良かった)

私は晴ちゃんにも少し分けてからまた食べ始めた。

「未桜、口開けて」

反射的に口を開けると怜がホイップクリームが沢山のった最後の一口を私の口へ運んだ。

急な行動に驚いてとりあえずもぐもぐ食べていると怜は私の口横についていたクリームをとりその指をぺろっと舐めた。

「クリームついてるよ(笑)」

「あ、ありがとう」

前に座っている晴ちゃんから視線を感じたがそんなの気にしてる余裕はなくパンケーキを食べ進めた。

(てかさっきの関節キスじゃ…)

最近の怜は前以上に距離が近く感じて戸惑う。どうしたのだろうか…。