「未桜ちゃん、約束だよ!」

「うん、約束!」

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「おーい未桜、起きて」

「ん…ん〜」

「早く起きないと入学式遅刻するぞ」

「ん、おはよ〜今何時?」

「おはよ。7時前だよ。

下で待ってるから準備してこいよ。」

「うん。」


私は清水未桜(みお)

そう、今日は入学式。

高校初めての登校日だ。

制服を着ながら夢の事を思い出していた。

幼なじみの佐山怜(さやま れい)と小さい頃約束した事だが、何を約束したのか忘れてしまった。

中一の頃、1度だけ怜に聞いたことがあるけど、

「んーまあ、いつか思い出せるよ。」

と言われた。それ以来聞いていない。


準備が終わりリビングに向かった。

「おまたせ〜」

「未桜!高校生になるんだからそろそろ自分で起きなさい!」

「わかってるよ、お母さん」

「いつまでも怜くんに迷惑かけないの!」

「はーい」

今日の朝ごはんは、パンと目玉焼きだ。

「 「いただきます」 」

なぜ怜も一緒にいるのかというと、怜の両親は海外へ仕事へ行っているためである。

まあそれ以外の日もよく一緒に食べてたけど。

「 「ごちそうさまでした」 」

食器を片付け時計を見ると時刻は7時40分

部屋に鞄を取りに行きリビングに戻ると、

「未桜、ここ座って」

と言われ、怜の前に座った。

「何?」

「寝癖ついてるから直してあげる」

「あ、直すの忘れてた」

怜はヘアアイロンを使って直し始めた。

「怜ってほんと器用だよね〜」

「ありがと」

「優しくて顔かっこよくて運動も勉強もできて…高校でもすごいモテそうだね(笑)」

「…好きな人に好きになってもらえなかったら意味ないよ。それに優しくするのは未桜にだけだし」

怜って好きな人の話全然教えてくれないんだよな。

10年以上も一緒にいるのに…。

「はい、できたよ」

「怜、ありがとう!」

「うん、遅刻するから早く行くよ」

「はーい」

「「行ってきます!」」

私と怜は鞄を持って外に出た。