怯えながら耳を塞ぐあたしを見て、樹がフッと鼻で笑った。

そして、手にしたリモコンをテレビに向ける。


さっきまでテレビの光でぼんやりと明るかった部屋が、一瞬にして真っ暗やみになって静まり返る。


まだ目が暗やみに慣れていなくて、樹の姿が見えない。

手探りで樹を探していると、あたしのその手を樹が握った。


「…樹、急にどうしたの?DVD見ないの?」