部屋のクローゼットから、ちーちゃんの制服を借りる。


部屋から出るとすぐに、向かいの部屋のドアが目に入ってきた。


ちーちゃんの部屋の向かいは…。

樹の部屋だ。


いつもなら、特に意識することもなく出入りしていた馴染みの部屋。


「樹、おっはよ〜!」なんて言って、ベッドで寝ている樹の上にダイブしたかもしれない。


だけど今日は、そのドアノブをなかなか握ることができなかった。