「そういや、彼女の容態はどうですか?」



湯船の中を、女性ぽさを感じさせるような動きで俺に近付く朱笆さん。



「今は大丈夫みたい」



「それはよかったです」



その事に、恣枦華が碧斗に疑惑の目を向ける。



「近づいてないよな?」



「してないよ、言われたから」



そう言って、碧斗は俺の方を見やる。



耳がたこになるくらい忠告はしておいたし。



「ふーん、そう」




「あーあ、熱だから近づけないのは分かるけど、やっぱ嫌だな・・・・。

あーーーー!?」



ぼやきを出したと思いきや、突然、碧斗の叫びが浴室に大きく響く。



「!」


「何?」


「どうしたんですか?」



「今、大変な事気付いたんだけど、なんで紫衣羅が看病してたの?なんで俺がしてなかったの!?」



そう言って、バシャバシャとお湯を掻き分けて、俺に近付く。



「はっ?」



と言われても、はっ?としか言いようがない。



「よくよく考えたら、なに普通に沙紅芦ちゃんの側に行ってんだよ!」



「はあ・・・・」



「ずるくない?ひどくない?なに1人で独り占めしてんだよ!」



俺にそんな口論をつきつけられても、どうしろうと・・・・。



「別にしてないんだけど・・・・」



「むぅぅぅ~~」



「・・・・・・・・」



本当に、沙紅芦の事になると欲の塊みたいな感情になるんだから。



(本当にうざい・・・・)




「それは、どうかと思いますけどね」



朱巴さんは呆れ気味に浴槽をあがる。



「お前みたいに欲溢れてないしな」



「だよな」



(欲ねえ・・・・)



。:°ஐ♡*。:°ஐ♡*shiira。:°ஐ♡*。:°ஐ♡*。:°ஐ♡*