漆黒の鏡 記憶のかけら

「というか、遊んでないでちゃんやれよ」



「はいはい」




今の紫衣羅くんはなんだったんだろう。



碧斗くんにはたまにきつい言い方で発する時があるけど、基本的には優しい感じだ。



そんなに荒げた言い方がよくなかったのだろうか。




「ねえ、沙紅芦ちゃん。畑から野菜と果物採ってきてくれる?」



「・・・・・・・・」



「沙紅芦ちゃん?」



「!あ、うん」



(いけない、ぼーっとしちゃった)



先程から来てる気だるい感じが、ついぼーっとなってしまう。




少し駆け足でダイニングの入り口に向かおうと足を動き出すと、急に頭がふらっと傾く。



(!?)



倒れそうになるところを、まだダイニングにいた紫衣羅くんが後ろから支えてくれた。



「大丈夫、沙紅芦?」



「あ・・・・あれ・・・・」



傾いた感じはしないのに、なんで・・・・。



さっきよりもっと気分が悪くなってきたような・・・・。



それに変な症状も出てきた。




(体がだるい・・・頭が痛い・・・・気持ち悪い・・・・・)





「もしかして・・・・」



紫衣羅くんは何かに気付きそっと後ろから、私の額を触る。




「やっぱり!」



「どうしたの?」



「熱あるよ、沙紅芦」



「ええ、大変じゃん!」




(熱?それなら・・・・)



だんだんぼーっとなる体に反射するように気持ちは大丈夫だと思わせるものの。



「だっ大丈夫・・・・だい・・・・じょう・・・・」



「沙紅芦!?」



あまりの気分の悪さにプツっと糸が途切れるように体が動かなくなった。