「分かるけど・・・・」



「うん?」



「でも、最初からは仲良くはできない」



「俺だってそうだよ」



「!」




私の暗い感情の言葉に、賛同してくれる言葉が出る。




「何らかの事情があるからここにいるんだろうけど」



「事情・・・・」





確かに、ここにいるのは事情があるからここにいるのだろう。



その事情は、大切な想いと関係あるのだろう。




私には今まで友達という存在がいたのだろうか。



そもそも家族はいたのだろうか。



多分、いるとは思うけど。






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「あった」



自分の部屋の机の引出しに、碧斗くんが言う通りスマホが入っていた。



これが私の物だったのかは、把握はできないが、多分私のだと言える。



「本当にあった・・・・」






「・・・・・・・・」



(ああ、やっぱり)



調べるだけ無駄だった。


そんな事、調べる前に分かっていたんだ。



私のスマホの連絡帳には、友達らしき人の名前は一切入っていなかった。