漆黒の鏡 記憶のかけら

「どうかしたんですか?」



「えっ」



ふいに朱巴さんが心配そうに尋ねてくる。



「碧斗くんといた時からずっと浮かない顔してますよね。何かあったんですか?」



正直、自分ではそんな表情をしていたとは思えないのだが、他人からすればそう見えているのだろう。



「別に何も・・・・」



「そうですか」



「・・・・」




「沙紅芦さんは、人見知りなんですか?」



「えっ」



朱巴さんは微笑みながら、私の方を覗きながら聞いてくる。



「僕は結構人見知りする方なんです。人と接するのは、少し難しいですからね」



「人と・・・・」



私は人見知りする以前の問題があると思うけど、他人からはそう感じられているのかもしれない。




「私は・・・・、どうしたらいいのかわからないんです」



気持ちが同調するかのように、何気なく言葉がぽろりとこぼれる。



「わからない?」



「人と仲良くするのは良い事だと分かってます。・・・・でも私は、わからない」



「沙紅芦さん・・・・」



「正直、戸惑ってます・・・・。急に知らない人としかも私以外男の人ばかりで、どう接したらいのかわからなくて」



本心ではずっと思っている。



どう接したらいいのかわからず、戸惑いがずっと生じている。




「そうなんですか、記憶はないんですよね?」



「・・・・ないです。でも、自分の性格とかは分かるんです。今まで持っていた記憶は確かにないですけど、自分の事はなぜか分かるんで」


「そう、なんですね・・・・」



「・・・・・・・」