「沙紅芦、まだ時間あるし話そう」



「えっ」



紫衣羅くんの誘いに、テーブルの方を見やる。



「そうですね。まだ時間ありますし」



「まあ、1人でいるよりはみんなでいる方がいいだろうな」



「偶然でこうなったかは分かんないけど、仲良くしようよ。こんな機会だからなおさら」



「・・・・・・・・」




「ほら♪」


(!)



そう言って、碧斗くんは私の手を掴む。




「なに自然に手を繋いでんだよ」



「手、小さくてかわいー!」



「あーそうですか」



紫衣羅くんの注意にも、碧斗くんは無視する。



なんだろう、この感じは・・・・・。



こんな事、今まで感じたことない。



記憶はないけど、こんな風に誰かに家族以外気にしてくれた事はない感じは分かる。



そもそも家族でさえも、ないような気もする。



だから、すごく変な感じがする。



「・・・・・・・・」