漆黒の鏡 記憶のかけら

次の日の朝、洗面所からリビングへ向かっていたら、昨日と同じような光景が起きた。



「沙紅芦ちゃん~」



碧斗さんが嬉しそうに私に近づいてくる。




「碧斗さん」



「あはは、さん付けはいらないよ。同じ高校生なんだし」


そういえば、彼は高校生だと言っていて私より2つ上の高校3年生だそうだ。


私もどこかの高校に通っているというのは理解しているけど、それ以上の事は何も分かっていない。



「あ、じゃあ、碧斗くん・・・・?」



彼の言葉に少し戸惑いながらくんを付けながら呼ぶ。



「うわあ、かわいい~♪もう一回言って!」



「えっ・・・・と」



そう言っては、さらに近付き始める。




「まったく、朝から・・・・もう」



その時、後ろから呆れた声が聞こえてきた。



「あ、紫衣羅さん、おはようございます」



「あー別にいいよ、そういうの。普通で」



「えっ いいんですか・・・?」




「うん。あと、タメでいいから」



「あ、うん」



年上なので気になるところだけど、本人がそう言うのならば良いのだろう。



紫衣羅さーじゃなくて紫衣羅くんは碧斗くんの1つ上の大学生だそうだ。




「俺もタメでいいよ!」



「あ、うん」



「うーかわいい~」



「!?」



どういうわけか、碧斗くんは嬉しかったのか私に抱きつこうとする。



驚いた私は、思わず1・2歩後ろに下がる。




「抱きつこうとするな」



「えーー」



どうやら、碧斗くんの行為を紫衣羅くんが止めに入ってくれたようだ。