「あれ、これは?」



ふと気付くと、私のすぐ近くに何かの紙が置いてあった。



先程まで確かこんなものなかったはずだが、疑問を感じながら手にとって表をみる。



「地図みたいですね、このお屋敷の」



「!」



地図の紙を見ていると、いつの間にか、私の側に近づいていて、後ろから朱巴さんが地図を覗いていた。



「もう来たのか、速いな。すごいな」



朱巴さんの言葉に紫衣羅さんが反応する。



「これって・・・・」



「うん、地図必要かなっと思って」



最初に書いたのはこれだったんだ。




「へーいいね」



「でも、変ですね」



すると、地図をじっと見ながら朱巴さんはそっと呟いた。



「何が?」



みんなが見えるように朱巴さんは、地図をテーブルに置き指摘する。



「ところどころ、なんの部屋かわからない場所があります」



その指摘に、紫衣羅はじっとみてみる。



「んー、あ、本当だ」



その地図には、私達の部屋がどこか既に配置してくれて、生活上必要な場所もいくつか細かく記載されているものの、その他にも部屋はあるはずなのだが、何も書かれていなく真っ白になっている。



「・・・・・・・・」



確か、入っては行けない場所があると言っていたけど、もしかしてこの真っ白な部分の事だろうか。





私達はとんでもない場所に連れて来られてしまったようだ。



そういえば、今着ている服、ここに来るまでこんな服を着ていなかったはず、それぐらいはなんとなくだが覚えがある。




私達はこれからどうなってゆくのだろう。



とても心配だ。



とりあえず、私ひとりだけ女の子というのは置いておいて。




記憶はなくても自分の性格はなんとなくだが理解はしているので、今から赤の他人と暮らしていくのがとても不安だ。





「っ」



(また頭が・・・・)


その時、また頭に軽くちくりと痛みが走った。


すごく不安だ・・・・。