漆黒の鏡 記憶のかけら

「では、最後の質問を回答しましょうか」



「!」



少し沈黙の間が置かれた後、カラクリうさぎは私に向けて静かにそう言った。



「あなただけが、眠っていて記憶を失っている事なのですが・・・・・・・・。
それはあなた自身がカギだからです」



「カギ?」




カラクリうさぎは先程までのにやついた表情ではなく、真っ直ぐな表情で私に向けている。





「君がそういう状態にさせたの?」



紫衣羅さんはいぶかしそうにカラクリうさぎに尋ねる。




「厳密にはそういう事ですね」



「なんでそんな事を・・・・・・・・」



「それは言えません」



「!」



(また・・・)





「知りたいのなら大事な想いを探してください。そしたらわかります。私があなた方を連れてきた理由も。ですけど、簡単に見つけれるとは思わないでくださいね」




簡単には知るべきものではないということなのか。



この子からすれば、簡単に知られると困るのだろう。



でも、わからないことだらけなのは事実だ。




「とりあえず、この部屋の鍵をお渡ししますので、協力して生活してください。必要な物はひと通りありますので、欲しいものがあれば書いてください。ああ、それと・・・・開けてはいけない扉がありますので開けないようにしてくださいね。大変な事になりますので・・・・ふふふ。では、頑張ってくださいね~♪」




そう言って、またにやついた表情と意味深な忠告を残して、カラクリうさぎはどこかに消えていったのだった。




「なんだよ、あいつはっ 言うだけ言っておいて、放置かよ!」



恣枦華さんは苛ついた表情で放つ。



「・・・・・・・・」



「なあ、お前はあのうさぎの事は覚えているのか?」



「えっ」





その言葉に私の脳裏に走ったのは。





「あれはなんというか、イラストとして描いたウサギで、でも、あの女の子じゃないです。確かに゛カラクリうさぎ゛と付けたのは私だけど」



「ふーーん」




「それに、あの女の子に会っていたらしいけど、一部分の言葉しか覚えていない」




私の言葉に次第に恣枦華さんは申し訳なさそうな表情になる。



「悪かったよ、強く言って」



「・・・・・・・・いえ」



ただ、なぜカラクリうさぎの事だけを思い出したのかは不明だ。