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『君、かわいいね』



『えっと・・・・・』



『碧!』



『げっ架乃ちゃん』


架乃亜ちゃんとは小さい頃から一緒にいた幼なじみで、昔からすごく仲が良い女の子だった。


気が強くてサバサバした女の子でちょっとだけ我儘な所があるけど、そういうの含めて俺は大好きだった。



『まーた、女子を口説いてたでしょ』


『うん、だって今の子かわいかったよ』



『ああ、そう』


『本当、ある意味才能だよな、お前のその性格はよ』


『あ、玖楼〈くろう〉』


『玖楼くん』


彼は玖楼。


玖楼とは幼なじみではないけど、中1の時にたまたま席が隣だったこともあって仲良くなって、架乃に紹介してからはよく3人でいる。


玖楼と俺は同い年だけど、架乃は俺らの1つ年下だった。



『いやあ、天才だなんて照れるなぁ』


『褒めてねえんだけど』


『どう見てもディスられてるのでしょ』


『えっそうだったの?気付かなかったや、あは』


『いいかげん、女子口説くの止めた方がいいぞ』


『えーなんで?』


『本当に最悪よ、こんなのが幼なじみで』



『これでこの顔だし、あとあざといし。お前絶対自分がかわいいって分かってやってない?』


『うん!だって、武器は大いに使わなきゃ』


『うわー』


『自分で言うんだ、そういう事』


『2人共酷い』


『あーあ、もう少し普通の友達が欲しかったー』


『私も普通の幼なじみが欲しかった』


『ねえ、やっぱり酷くない?』


俺は幼い頃からというか気が付くと、かわいい女の子が好きで、小学生の頃は見てるだったのが中学になってからは拍車がかかったかのように声を掛けるようになった。



多分、見ているだけじゃ嫌になったからだと思う。


声を掛けて認識してもらいたいんだと気づいたからだ。


でも、そんな女の子好きな性格が2人は変に引かれているというか嫌っているのである。


それに、あの2人はなぜか俺の事に対しては気が合うのか、いつも酷い言い草ばかり言われている。