漆黒の鏡 記憶のかけら

部屋に来たのはいいけど、私は碧斗くんに何をしてあげられるのだろう?



別に何か助けれるとは思っていない。



それ以前に何かできる事などあるのだろうか?



話しを聞いても上手い言葉など見つかる気もしない。



何かできる事などあるはずないのに。



「あの、碧斗くん・・・・なんで部屋に呼んだの?」



「んー話しを聞いてほしかったからかな」


「話し?でも、私は・・・・・」


「けど、昨日話し聞くって言ってくれたよね?」


「それはそうだけど・・・・・」


(確かにそう言ったけど、でもあれは・・・・・)


「そういうつもりで言ったんじゃあ・・・・・・」


話してほしい為に言ったのではなく、私にできる事ないかという意味合いで言ったまでの事だったのに。


碧斗くんにあった事を話されても、私はどうしたいいのか分からないし何も言えないから。


「そうだったの?うーんでも・・・・・昨日は嬉しくないみたいな言い方したけど、俺は嬉しかったよ。君がこんなにも気に掛けてくれるなんて思わなかったから」


「そうなの?」


「・・・・・・うん。でも、聞いてほしんだよ?ダメかな?」



「・・・・・・・・」


碧斗くんの少し悲しそうな表情にいたたまれなくなって、思わず頷いてしまった。




(なぜ?)