「・・・・・・・・」


それから碧斗くんの部屋に赴き、私は部屋の扉の前でうろたえていた。



「よし」



そして、意を決意して部屋を軽くノックをした。



けど、返事は返ってこなかった。



「?」


(あれ?いないのかな?)



そんなはずないと思うけど。



先に部屋に戻ったはずだから。



とりあえず確認の為、扉を開けてみる。



部屋の明かりはついていないが、カーテンは空いていたので真っ暗ではなかった。


それに今日は満月が出ていた為、明るかったので碧斗くんの居場所はすぐわかった。


「寝てる‥」


碧斗くんはベットの上に転がって横になっていた。


「碧斗くん」


そっと碧斗くんの側に近寄った。


顔を覗き込むと、やっぱり寝ている感じだった。


(どうしよう、やっぱり寝ている)


寝ているから起こすのもどうかと思うけど、でも碧斗くんが本人から誘ってくれたから。


「碧斗くん・・・・」



なんとなく碧斗くんに触れようと手を伸ばそうとした。



と、手を伸ばしたその時ー。



「えっ」


【ドサッ】


「っ!?」


そっと触れようとしたら、突然、碧斗くんの手が私の手を掴み、そのまま体を引き寄せられベットに倒れこんでしまう。


「ちょっと!碧斗くん!?」


「ん~」


(寝ぼけてる?いやでもこれは・・・・)


離れようと碧斗くんの体を押すが、彼の力が強くて離れそうにない。


本当に寝ているのかもさえも疑問なくらいに。


でも、寝息は聞こえているから、本当に寝ているのは明らかだ。