漆黒の鏡 記憶のかけら

「・・・・・・」



(どうしよう)



「後で部屋に来て」っと碧斗くんは言って戻っちゃったけど、行くべきだろうか。



碧斗くんは何か話したいから言ったんだよね。



「どうしよう・・・」



「あれ?沙紅芦」



碧斗くんの誘いに行こうか戸惑ってウロウロと辺りを歩いていたら、背後からある人に声を掛けられた。



「・・・あ」



振り向くと紫衣羅くんが不思議そうな顔で立っていた。



「紫衣羅くん」



「ん?」



(紫衣羅くんに相談してみようかな)



何気なくそんな事を思った私は、彼に言う事にした。



「あ、あのね・・・!」



「うん?」



碧斗くんの事を紫衣羅くんに話すと、私が予想していた答えとは別の答えが帰ってきた。


「碧斗も何か思った事があったと思うよ。だったら話を聞くだけ言ったらいいんじゃない?今の碧斗ならセクハラもどきみたいな事もしないと思うけど」


確かにそれは一理あるかもしれない。


碧斗くんは会う度に毎回毎回抱き付いたりしまくるから正直困るけど、元気を失くしてからは抱き付いてこなくなったから、それはそれでよかったかもだけど。


「うん、わかった。じゃあ話しだけでも聞いてくるよ」


そう言って碧斗くんの部屋の方へと歩き始める。


「あ、でも、その恰好で行くのはちょっと」


紫衣羅くんが付け足すように私に言っていたけど、私は聞こえておらず、そのまま振り返らずその場からあとのしたのだった。