漆黒の鏡 記憶のかけら

ようやく落ち着いた碧斗くんは、なんとか落ち着きを取り戻した。



「もう、平気?」



「うん、ごめんね。びっくりさせちゃったね」



「う、うん」



いや、平常運転だったからなんとも思わないけど、確かに少しびっくりした。



平常運転から上回るテンションだったので。




「それで話って何?」



「あっえっと・・・」



「もしかして、まだ気にしての?」


「あ・・・」


碧斗くんは私が話したい事など最初から分かっていたようだ。


私の先程の言動からすれば誰しも分かる事だろう。



だから私自身が驚く事でもない。




「やっぱりそっか・・・」



「!・・・ごめんなさい」



「別に・・・どうせそんな事だと思ってたよ。沙紅芦ちゃんが自ら俺に近付くなんて、理由がなければ普通ありえないから」



「そう」



碧斗くんの頭の中は基本的に下心満載なのだろうか。




いったい私に何を求めているのだろう?




私があげれるものなど何もないというのに。




「別にいいけどさ」



「・・・」


碧斗くんは諦めた様子で軽く溜息を吐いた。