漆黒の鏡 記憶のかけら

浴場に向かい入り口前で立ち止まりウロウロする。



「碧斗くんまだかな?」




もしかして、もう上がって部屋に戻ったのだろうか?



そんな事を思いながらぼーっと立っていると、ふいに【ガラ】っと浴場の扉が開いた。



「沙紅芦ちゃん!?何してんの?男風呂の前でっ」



「あ、碧斗くん。よかった、まだ上がってなくて、あのね話がある・・・ってどうしたの?」



碧斗くんに駆け寄るが、なぜか碧斗くんは目を瞑って手で目を隠していた。




「色々理性が飛びそうです・・・」



「はい?」



碧斗くんはチラっと目を開けては、小さく奇声を上げてまた目を瞑る。



「あーなんちゅう格好してんの?」



「えっ普通だよ?」



紫衣羅くんと同じく格好の事を指摘された。



(そんなに変な格好なのかな?)



「変?」



「変じゃないよ、むしろ可愛すぎるよ!そして何の警戒心のなさ最高!でもそれは誘ってるようだからダメだよ」



「・・・何言ってるの?」



碧斗くんの興奮気味の言動に正直何を言ってるのか分からなかった。




「はあはあはあ、興奮が止まらない!」



言動が完全にやばい人の言動になっているが、同時にいつもの碧斗くんのようだ。



少し引き気味ではあるが。




「お風呂あがりでシャンプーのいい匂い。しかもパジャマ姿・・・更にショートパンツ・・・でもレギンス」




更に言動が変態さんのような口調になっていっている。



「えっと・・・大丈夫?」



「もろ大丈夫です!」



「息荒いよ?」



どう見ても碧斗くんの言動は、先程までの元気のない態度よりはあからさまに通常運転の言動だけどおかしさはMAXだった。



やばいという以前に色々怖いのだけど。