漆黒の鏡 記憶のかけら

「まあ、出来る限りでやったらいいよ。苦戦するようなら少しだけ助けて上げるからさ」



「・・・・・・・・うん」



(やっぱり、紫衣羅くんは優しい人だな。
なんか、少し羨ましいな)



「あー、こういう時は微笑んだらいいと思うよ?」


「えっ」



「まあ、いいけど」


(微笑み・・・・・・か)



私だけ笑顔を向ける事ができてないんだね。




「少しずつ、良くなってきてるからいいか」



「そっか」


少しずつ良くなってきてるんだ、なら大丈夫なのかな。



「碧斗くんは・・・?」




「あー風呂じゃない?」



「そっか」



(お風呂か・・・)



それなら待ってた方がいいのかもしれない。




「分かった、行ってくるよ」と紫衣羅くんに言い浴室の方へと向かう。



「ちょっちょっと待って!」



「ふぇっ?」



なぜか紫衣羅くんは焦るように私を呼び止める。



「何?」



「その格好で行くの?」



「・・・?うん・・・まずい?」




ただのルームウェアで、ショートパンツだけどレギンスだから足は出ていないし警戒する必要せいは全くないと思うけど。



「まずくない?」



「・・・そう、かな?」



「自覚なしですか」



「?」



紫衣羅くんは私の服装にとても心配そうな表情でじっと見ながら、私を見送っていた。





(変な紫衣羅くんだな)