漆黒の鏡 記憶のかけら

本当に神様がいるんだ。



これが神様の仕業とはまだよくわからない。


「・・・・・・・・!」



(灯りが付いた・・・・?)




倉庫の中ヘ入った瞬間、勝手に橙色の灯りが照らされた。




自動の電気でもあるかと、壁を見渡すが、それらしきものが一切ない。




「この灯りって・・・・」




「うさぎの神様が付けてくれたのよ。
きっとあなたを歓迎してくれてるのね」




「えっ」




これも神様が?




不可思議現象とは言うには、もう理解が全くつかない。



流石にここまで来られたら・・・・。



本当に本当に神様がいるのかもしれない。



「・・・・・・・・」



中ヘ進むたびに床から古びたきしむ音が、倉庫内に響き渡る。




(本当に色んな物がある)





ここの物と思われる物やそれとは異なる物も多数置かれている。




ここにある物のほとんどが保存しに来た人達の物なのだろうか。




そんな事を思いながら、倉庫の中を見廻っていると、ふとある物が目に入ってきた。




「!」



(うさぎ・・・・?)



それは、うさぎの形をした置き物だった。




私はそのうさぎの置き物に目が入りじっと眺めた。




「これ・・・・似てる」




私はぽつりとそう言った。



そのうさぎの置き物は、なんとなくだが私の描いたカラクリうさぎに似ていた。



そんな気がしたのだった。




(変なの・・・・)



すごくおかしい事だけど、でも、目を離せずにいた。




「・・・・・・・・」




似てるというよりはそっくりだ。



でも、なぜ?