漆黒の鏡 記憶のかけら

「で、結局あの夢はどうやったんだ?」



最初にカラクリうさぎに尋ねたのは、恣枦華くんだった。


「それは言えません。秘密事ですので」



「ああ、そう・・・・」



まあ、いつも通りの反応だ。


さすがの恣枦華くんも反論する事さえもしないでいる。




「でも、クリアしていただけて良かったです」



カラクリうさぎにこっと広角を上げて笑う。


表情から嬉しそうにしてくれているのは分かる。



でも、またぞっとするような一言を放つ。



「クリアできなかったら、本当に大変な事になっていたので」


「大変な事って・・・・?」



言葉からぞっとするような口調だけど、どんな大変な事なんだろう?



「失うんです」


「失う?」


(失うって・・・・)


「彼女以外の4人の誰かの記憶を」


「!?」


するとまた、凍りつくような空気が張られ黙りこむ表情になる。


「嫌でしょ?沙紅芦さんみたいに記憶を失うのは。もしかしたら、記憶だけではなく性格も失うはめになっていたかもしれませんねぇ〜♪」

カラクリうさぎはくすっと笑いながら嫌味ぽく言う。



それは、どことなく嬉しそうな皮肉な言い方だ。



「・・・・・・・・」



「ですが本当によかったです。彼女と同じような人が増える事がなくて」


「・・・・っ」



「ふふふ」



何がこんなにも嬉しいのか、彼女の言い方は本当におぞましい。