不思議な夢。



でも、現実味のある夢。




なんだかふわふわした感じだった。




「・・・・・ん・・・・・んん・・・・」


意識が醒めると、体に何かが乗っている気がして重く感じた。


(これは・・・・気のせいじゃない?)


恐る恐る目を開けると、目の前には━━。




「あっ起きた?」



「!?」



夢と目が覚めた時と同じように碧斗くんは目の前にいるが、今回は碧斗くんが私の上に乗っている。


(う、動けない・・・・)



碧斗くんが私の上に乗っかかってるせいか動けない。



「ん〜?まだぼーっとしてる?」


目は開けているものの、反応しない私に碧斗くんは更に顔を近付けてくる。



「っ!?」


(近い近いっ!?)


あまりの近さに戸惑い困惑していると━━━。



「お前が乗っかかってるから起きれないんだろうがっ」



と、紫衣羅くんが碧斗くんの襟首を掴み引っ張る。


紫衣羅くんの指摘でようやく退いてくれて起き上がる事が出来た。



「ちぇっ、もう少しだったのに・・・・っ」



碧斗くんは舌打ちをしながらとんでもない発言を小声でする。



(何する気だったの!?)



どうやら紫衣羅くんは立っているので、碧斗くんの小声には聞こえなかったようだ。



聞こえてたら、また怒られる羽目になるんだろう。




「ほら、碧斗外出るぞ」



「ちょっ襟首掴まないでっ行くから」



碧斗くんの言葉に無視しそのまま襟首を掴み扉を向かう。


「俺ら廊下に出てるから、早く着替えてね」


「うん・・・・」




そして、引きずるように碧斗くんを掴みながら廊下に出て行ったのだった。