「…ん?」
俺は、首元に翼の形をした銀色のネックレスをつけている事に気付いた。
そのネックレスは、とても綺麗で透き通って見えるかのようだった。
「翼のネックレスなんて、俺可愛いネックレスしてたっけ…?」
俺は、そのネックレスをまじまじみると、
「…翼を広げて、飛んでいけるように…、これを…。」
「!?」
突然頭から聞こえた女の人の声に、俺は忘れてかけていた記憶のピースが一つハマった感覚がした。
不思議と聞こえたその声は、どこか聞いたことのある声で、心が少し落ち着いた。
声が高くて、落ち着きのある優しい口調に俺は、
「穂輪(ほわ)…?」
口から出たその言葉と同時に、頬を伝って涙が一雫こぼれた。
あぁ…、もう俺は……。
『君のそばには、もういれないのか。』