順番待ちはほぼなかった。
真っ先に一番端の席を確保し、ソワソワしながらクルーが前方から安全バーを確認しに来るのを眺めていた。
「……全員はもう無理でしょうけど」
俺の呟きにサツサトさんが視線だけをこちらに向ける。
「グループチャットに呼びかけたら、最後の日までにまたみんなで遊べませんかね」
「うーん。早めに企画すれば、まだワンチャン? 一昨日は集まれたんだし」
「こんな状況で何やってんだって言う人もいるかもしれないですけどね、ははは」
汗ばむ肌を、海風が撫でた。
英語で出航を告げる音声が流れ、続いて海賊をイメージしたような男の笑い声と音楽が流れ出す。
ヴイン……と船が動き出し、徐々にその動きを大きくしていった。
絶叫は好きな方……とはいえ、あまり慣れない内臓が浮き上がるような感覚に「うぉっほ」と笑いに似た変な声が漏れる。一方でサツサトさんは「涼し~!」と余裕で風を楽しんでいた。
真っ先に一番端の席を確保し、ソワソワしながらクルーが前方から安全バーを確認しに来るのを眺めていた。
「……全員はもう無理でしょうけど」
俺の呟きにサツサトさんが視線だけをこちらに向ける。
「グループチャットに呼びかけたら、最後の日までにまたみんなで遊べませんかね」
「うーん。早めに企画すれば、まだワンチャン? 一昨日は集まれたんだし」
「こんな状況で何やってんだって言う人もいるかもしれないですけどね、ははは」
汗ばむ肌を、海風が撫でた。
英語で出航を告げる音声が流れ、続いて海賊をイメージしたような男の笑い声と音楽が流れ出す。
ヴイン……と船が動き出し、徐々にその動きを大きくしていった。
絶叫は好きな方……とはいえ、あまり慣れない内臓が浮き上がるような感覚に「うぉっほ」と笑いに似た変な声が漏れる。一方でサツサトさんは「涼し~!」と余裕で風を楽しんでいた。

