一か月後に世界が終わるという時に ゲーム仲間とオフ会する話

「るいちゃんか……誰と行くんでしょう」

「多分彼氏と」

「喧嘩したって言って沈んでませんでしたっけ」

「今は喧嘩してる場合じゃないでしょ、愛し合ってるなら」


 爽やかイケメンがさらっと愛という単語を発して、なんだか少しこっ恥ずかしいのに似合っているのが面白い。


「何か乗りますか」


 ゲートをくぐり、サツサトさんを振り返る。


「俺、お世話になった芋りポイントを撮りに行きたい」


 彼が答えた。

 芋りポイントというのはゲーム内での引きこもり兼待ち伏せポイントのようなものだ。


「サツサトさん色んなところで芋るんで、どこの事言ってるかわかんないです」

「とりあえずバイキングかな。BQさんああいう乗物平気?」

「絶叫は好きな方ですよ」

「よし、じゃあ行こう」


 バイキング乗り場へ向かう途中、女性3人組に握手を求められたが、騒がれはしなかった。

 今のところ無事に聖地巡礼を続けられそうで胸を撫で下ろす。