一か月後に世界が終わるという時に ゲーム仲間とオフ会する話



 それから、しばらく経って――……とある朝。


 ニュースを発信する会社が減っていく中、朝の報道番組では大きな会場でコンサートをやるのが夢だったというアーティストをドームに集めて、連日出入り自由のライブをやって賑わっている……なんて特集が組まれていた。

 そのニュースを俺はポッちさんの家の中でぼんやりと眺めている。

 そこに、明け方にやっと眠りについた他のフォロワーさんが起きてきて「おはよう」とあくびをしながらみんなに挨拶をした。


「おはようございます」

「あれ? なんでサツサトさんまで居るの? いつの間に来たの?」


 そこには何人ものゲーム仲間が集まっていた。その中に、明け方にはいなかったサツサトさんの姿もある。


「鯖落ちしてネット対戦できないならコントローラー持って駆けつけるしかないと思ってね」

「うわあ行動力あるバカだ。イケメン。好き」


 あははははとその場のみんなが笑う。

 さてと……とポッちさんはニュースを流していたテレビをゲーム入力画面に切り替えて……朝ごはんを準備するチームをゲームの勝敗で決めるため、それぞれがコントローラーを握った。


 2XXX年8月20日

 約10日後に世界は――……終わる。