たまに、人に会うと“柿由 夕陽って実在したんだ”と言われる。
別に、不快には思わない。
けれど、画面の壁というものを俺は何度か実感してきた。
そのこちら側に俺が居て、向こう側にファンがいるように、
こちら側に俺が居れば、向こう側にサツサトさん達は確かに命の焔を燃やしている。
「きっと俺は、今日サツサトさんに会わなきゃ後悔しただろうし、ポッちさんにも会わなきゃ後悔するんです。それだけ大切な友達だと思ってます」
「……そっか。うん、そうだよな。俺もBQさんに今日会わなきゃ……もっとモヤモヤしてたろうな」
車は事故現場を通り過ぎた途端に渋滞など知らなかったかのようにスイスイと進みだした。
「ありがとうBQさん。……ありがとう」
「サツサトさん」
役目を放棄した料金所を通過し、こんな状況じゃなければ灯りがついているであろうチェーン店が並ぶ一帯を横切るが、閉店している店が多く道は暗かった。
車は暗い道をライトで照らしながら、もう一人の仲間の所へ向かう。
車窓から夜空を見上げ、あの暗闇のどこかから終わりが降りてくるイメージを思い浮かべると、俺は頭の中で“それ”に向けてゲームの中で使っている狙撃銃タイプの武器を向け、弾を放った。
幻の中の“終わり”が砕け散る。
「……って、できればいいのに」
コツンと窓に頭をぶつけながら俺は呟いた。
別に、不快には思わない。
けれど、画面の壁というものを俺は何度か実感してきた。
そのこちら側に俺が居て、向こう側にファンがいるように、
こちら側に俺が居れば、向こう側にサツサトさん達は確かに命の焔を燃やしている。
「きっと俺は、今日サツサトさんに会わなきゃ後悔しただろうし、ポッちさんにも会わなきゃ後悔するんです。それだけ大切な友達だと思ってます」
「……そっか。うん、そうだよな。俺もBQさんに今日会わなきゃ……もっとモヤモヤしてたろうな」
車は事故現場を通り過ぎた途端に渋滞など知らなかったかのようにスイスイと進みだした。
「ありがとうBQさん。……ありがとう」
「サツサトさん」
役目を放棄した料金所を通過し、こんな状況じゃなければ灯りがついているであろうチェーン店が並ぶ一帯を横切るが、閉店している店が多く道は暗かった。
車は暗い道をライトで照らしながら、もう一人の仲間の所へ向かう。
車窓から夜空を見上げ、あの暗闇のどこかから終わりが降りてくるイメージを思い浮かべると、俺は頭の中で“それ”に向けてゲームの中で使っている狙撃銃タイプの武器を向け、弾を放った。
幻の中の“終わり”が砕け散る。
「……って、できればいいのに」
コツンと窓に頭をぶつけながら俺は呟いた。

