「俺がこんな事を訊くのも変だけどさ。BQさん、家族と過ごす時間取った? それとも、このオフが終わったら家へ帰るの?」
世界の終わりが間近に迫り、家族と過ごしたがる人は多い。
そして俺も、最後の何日かはそうして過ごすんだろうと思っていた。
「仕事が休みに入って、まず実家に帰ったんですよ。一回元気な顔を見せておこうと思って。そしたらですね、ナントカ様がナントカナントカで全てを救済する~みたいなヤツに両親と妹が熱くなってまして。まあそれで毎日毎日集会所に出かけているみたいだったんですよ」
「ああ……それは……。最近増えすぎてどれがどれだかって感じだけど」
「2日ほど実家で粘りましたけどね、全然僕の話は聞いてくれなくて。もう、少しでもそれで落ち着いて過ごせるならそうさせてあげようかと思うようになって。そのまま帰って来ました。多分もう、実家には帰らないと思います」
そうか……。と声のトーンを落とすサツサトさんに、今度は俺から訊ねてみる。
「そういうサツサトさんは?」
「俺? うーん、まあ色々ありまして。俺ももう会う事はないなあ」
ここへ来て“色々”なんて曖昧にするような事は深く訊かないのが正解だろう。
そうですか……とだけ言って、大人しく景色を眺める事にした。
世界の終わりが間近に迫り、家族と過ごしたがる人は多い。
そして俺も、最後の何日かはそうして過ごすんだろうと思っていた。
「仕事が休みに入って、まず実家に帰ったんですよ。一回元気な顔を見せておこうと思って。そしたらですね、ナントカ様がナントカナントカで全てを救済する~みたいなヤツに両親と妹が熱くなってまして。まあそれで毎日毎日集会所に出かけているみたいだったんですよ」
「ああ……それは……。最近増えすぎてどれがどれだかって感じだけど」
「2日ほど実家で粘りましたけどね、全然僕の話は聞いてくれなくて。もう、少しでもそれで落ち着いて過ごせるならそうさせてあげようかと思うようになって。そのまま帰って来ました。多分もう、実家には帰らないと思います」
そうか……。と声のトーンを落とすサツサトさんに、今度は俺から訊ねてみる。
「そういうサツサトさんは?」
「俺? うーん、まあ色々ありまして。俺ももう会う事はないなあ」
ここへ来て“色々”なんて曖昧にするような事は深く訊かないのが正解だろう。
そうですか……とだけ言って、大人しく景色を眺める事にした。

