「あの、昨日はそのまま帰ってしまってすみませんでした……」



先に昨日のことを謝っておかないとと、謝罪の言葉を口にする。

気まずさを誤魔化すように、視線を少しだけ下げた。



「自分の仕事が終わったなら帰るのは自由だ。謝る必要はないぞ」



舜先輩が優しくそう言ってくれて、滝先輩も「ああ」と同意するように呟いた。

緊張で、少しだけ息が詰まる。

ふたりは……私がサラだってことは、気づいてなさそう、かな……。

そう思い、顔を上げた。


そして——ふたりの私を見る目が、いつもとは少し違うことに気づいてしまった。

……っ。

もしかして……バレてるっ……?

そう思うくらい、私は違和感を感じ取ってしまった。

何かを聞かれるんじゃないかと、すぐに身構えた。