生徒会室までの道を、蓮さんと歩く。

道ゆく人は、蓮さんがいることに一瞬驚いたリアクションを示しながら、すぐに目を逸らす人ばかりだった。

こういう時、他のみんなとの違いを感じる。

例えば、南くんと歩いている時は女の子たちがきゃーきゃーと黄色い声をあげている。

滝先輩といる時は、顔を赤らめた女の子たちがこそこそと話をしながら横目で滝先輩を見つめたり、男子生徒からはよく話しかけられたりしている。

舜先輩も……男子生徒にも女子生徒にも、羨望の眼差しを向けられている。

2ーSのみんなといる時も、みんな様々ではあるけど騒がれているし……。

一方、蓮さんは見るのさえおこがましいと言わんばかりの対応をされていた。

さすが校内トップというか……蓮さんが歩く先には、自然と道が開いていく。


それに、蓮さんに対してはみんな羨望よりも恐怖のほうが勝るのかもしれない。

まるで蓮さんと目が合えば殺されるとでも思っているかのように、道ゆく人が目を逸らしていくから。

私なんかが隣に並ぶのはおこがましいと思いながら、蓮さんと少しでも一緒にいられるのは嬉しかった。

生徒会室につき、扉の前で立ち止まる。