「あ、ふたりともおはよ。どこか行ってたのか?」
いつも通りの爽やかな笑顔なはずなのに、なんだかいつもと違うように思えてならない。
海くんは女の子たちから助けてもらった事件以来、いつも警戒心を持って接していた。
申し訳ないけれど、全部見透かされているようで少し怖くて……。
というか、なんだか監視されているような緊張感を感じる。
実際、そうだったのかもしれない。
海くんはサラのことを探しているって言っていたし……それに、何か勘付いている気がするんだ。憶測でしかないけれど……。
「う、うん、ちょっと」
適当に笑ってごまかして、席に着く。
海くん、いつもより来るのが遅かったけど……聞いたら聞いたで怪しまれそうだからやめておこう。