違う、そんなことが言いたいんじゃない。

由姫、俺は……。



「ふふっ、蓮さんはとっても優しいから、泣かされることなんてないよ」



幸せそうに笑う由姫。その姿に……俺は叶わないことを痛感した。



「あっ……そろそろ予鈴鳴っちゃうね!教室戻らなきゃ!」



慌てた様子で立ち上がった由姫とは対照的に、俺はその場から動けない。

この現実を、受け入れられないでいた。



「由姫」



なあ……。



——もう、間に合わないのか?



由姫の気持ちが……俺に向く可能性は、1%も残ってない、か……?


俺は……。