総長さま、溺愛中につき。④〜最強男子の愛は永遠に〜

信じてもいない神に祈ったところで……俺の願いを、聞き入れてくれるはずはなかった。



「……っ」



俺の質問を受け止めた由姫の顔が、真っ赤に染まった。

こんな由姫の顔を見たのは——初めてだった。

鈍器で殴られたような衝撃に襲われる。

聞かなければとかったと思った。


——最悪、だ。



「あ、あの……」



頬を赤らめながら、由姫が眉の端を下げる。



「心変わりが、早すぎる、よね……自分でも軽い女だなって思ってるの……」



あははと自虐気味に笑う由姫を、俺はじっと見つめることしかできない。

軽い女なんかじゃない。

俺はまた……。



——指をくわえて、見ていることしかできないのか……?