いつも真っ先に登校してくる新堂がいないのも気になる……。あいつは血眼になってサラを探している人間のひとりだから、今頃手がかりでも調べているかもしれ
ない。

この騒動が落ち着くまでは……由姫を極力ひとりにはしないほうがいいだろう。

もしこの学園の生徒だとバレていたら、片っ端から女生徒を調べるだろうから。

生徒会に行く時も、付き添ったほうが……。


——ブー、ブー。


バイブレーションの音がして、由姫がスカートのポケットに手を入れた。

電話……?

震えているスマホを取り出し、画面を確認した由姫。

画面を見るなり、由姫の表情が一変した。

驚いた様子で目を見開いき、心なしか……少し頬を赤くした由姫の姿に、心臓がドクッと嫌な音を立てた。

誰だ……?