もしかしたら、サラのことを探している誰かに捕まってしまったり……。



「えっと、とにかく無我夢中で逃げて、第三体育館まで来て、変装道具もないからどうしようかなって悩んでいたら……」


先の言葉を聞くのが少し怖くて、喉元が波を打つ。




「蓮さんが……助けに来てくれたの」



……は?

由姫の言葉に、強い衝撃を受けた。

蓮って……西園寺蓮、だよな……。

なんで……そいつが?

もしかして、由姫がそいつに助けを求めたのか……?

俺じゃ、なくて……。



「電話でも、したのか?」


俺の質問に、由姫が首を振った。それに、心底ほっとする。
「ううん、ちょうど電話がかかってきて……それで、事情を話したら、今どこにいるんだって言ってくれて」