総長さま、溺愛中につき。④〜最強男子の愛は永遠に〜



サラを追いかけるように、窓から飛び出して行った夏目。

俺の後ろで、しびれを切らすように滝が舌打ちをした。

こいつの舌打ちなんか、聞いたのはいつぶりだろう。



「……俺たちも探しに行かないか……?」



待てを強要された犬みたいに、焦れた様子で眉間にシワを寄せながら聞いてきた滝。

再会を望んでいるもの同士、滝の気持ちはわかる。

でも……。



「いや、サラは逃げ足が速い。俺たちじゃ追い付けないだろう。それに……今まで気づかなかったってことは、相当隠れんぼが得意ってことだからな……」



きっとここで追いかけたところで、サラを見つけるのは限りなく不可能に近い。