サラを追いかけるように、窓から飛び出して行った夏目。
俺の後ろで、しびれを切らすように滝が舌打ちをした。
こいつの舌打ちなんか、聞いたのはいつぶりだろう。
「……俺たちも探しに行かないか……?」
待てを強要された犬みたいに、焦れた様子で眉間にシワを寄せながら聞いてきた滝。
再会を望んでいるもの同士、滝の気持ちはわかる。
でも……。
「いや、サラは逃げ足が速い。俺たちじゃ追い付けないだろう。それに……今まで気づかなかったってことは、相当隠れんぼが得意ってことだからな……」
きっとここで追いかけたところで、サラを見つけるのは限りなく不可能に近い。

