とりあえず、嘘をつく理由もないから、全部正直に話そう……。

恐る恐る口を開いて、呆れられることを覚悟で話した。



「昨日、変装なしの姿を見られました……」



私の言葉に、拓ちゃんがぎょっと目を見開く。



「本当だったのか……」



どうやら、やっぱり拓ちゃんも噂を聞いていたらしい。

というか、昨日の放課後の出来事なのに……この学園、噂が広まるのが早すぎるよっ……。

う……このまま何事もなく、収束してくれるといいけど……。



「でも、誰に?」



そうだよね、問題はそこだよね……。



「えっと……舜先輩と滝先輩と……なっちゃん」



またしても、拓ちゃんの瞳がぎょっと大きく見開いた。



「なっちゃんって……難波夏目か?」