「……由姫」
「は、はひっ……」
「話があるんだけど」
や、やっぱり、バレてるっ……。
引きつった笑顔しかできない私は、こくりと首を縦に振った。
「あ、あはは……う、うん」
ちゃんと、言い訳させてもらおう……。
「とりあえず、屋上行こっか?」
拓ちゃんの言葉に、もう一度頷いて私たちも教室を出た。
屋上にくるのは、これで3度目だ。
拓ちゃんとここにくるのは、2度目。
「そういえば、いつも屋上って人がいないよね……?」
気になっていたことを聞くと、拓ちゃんが「ああ」と答えてくれた。
「弱肉強食だからな、うちの屋上は」
「……弱肉強食?」
どういう意味……?
「つえーやつしか使用禁止ってやつ」