「サラについては何も言っていなかった」



あ……そ、そうだったんだ……。



「俺から言うのも不自然だと思ったから、何も言ってない。由姫は授業の課題もあるって言ってたから帰らせたとだけ伝えておいた」

「あ、ありがとうございますっ……」



そっか……何も言ってなかったんだ……。

本人だと思われていないってことならいいけど……そんなはずは、ないよね……。

滝先輩なんて……あんな驚いた顔するんだってくらい、びっくりした表情だったし……流石に見間違いですは無理だろう。



「いや、大したことはしてない。それより……fatalがどう動くかだな」



私も、恐れているのは実はそっちだった。