総長さま、溺愛中につき。④〜最強男子の愛は永遠に〜

「本当に、いた、んだ……」



俺たちに訴えかけるようにそう言ってくる夏目の言葉を、簡単には信じることができない。

夏目だからということではなく……サラがいるはずが、ないからだ。

さっきまで夏目はこの場所にいた。

もし外に出かけていたとしても、移動距離は知れているだろう。
夏目の言葉が真実ならば……サラはこの周辺に現れたということになる。

でも——今の夏目が嘘をついているとも、思えなかった。



「夏目、ちょっと落ち着いて」



俺は宥めるように、ひどく動揺している夏目の肩を掴んだ。



「落ち着いていられるわけないだろ……!!」



俺の手を振り払って、逆に掴み返してきた夏目。



「制服、着てたんだ……西学の……サラが……」




*次回の更新は明日5月29日(金)13:00〜*