「俺でーす」
耳元で聞こえたのは、どこか懐かしい声。
秋、ちゃん……?
私の知っている秋ちゃんの声とは違うけど……多分、秋ちゃんのもので間違いない。
すぐに顎を殴って阻止しようと思ったけど、思うように体が動かなかった。
仲間だった頃の秋ちゃんがフラッシュバックして、殴れなかったんだ。
腕で首を固定されているため、動けない。視線だけを向けると、やっぱりそこにいたのは秋ちゃんだった。
「いらっしゃい、お姫様」
私を見て、にやりと嫌な笑みを浮かべた秋ちゃん。
私のよく知る秋ちゃんは、絶対にしないような顔。
「由姫……!!」
南くんも、戦いながらひどく心配そうにこっちを見ている。
「おい、由姫を離せ……!!」
滝先輩の声も、辺りに響いた。
*次回の更新は7月20日(月)13:00〜*

