【side 南】
あーあ……今頃、由姫と楽しく勉強会してるはずだったのになぁ……。
第3体育館に向かいながら、僕はため息を吐き出した。
蓮くんから電話がかかってきたのは、昨日の夜中だ。
今すぐ自分の部屋に来いと言われ、僕と舜くんと滝くんが蓮くんの部屋に集まった。
ほんと、話があるなら自分から来ればいいのに、僕たちを呼び出す横暴っぷりにはまいったよ……蓮くんら
しいっちゃらしいけどさ。
『天王寺から連絡があった』
集まった僕らに、そう言い放った蓮くん。
え……嘘、でしょ……?
『蓮くん……天王寺と連絡先交換してたの……?』
『殺すぞ』
『ははっ、冗談だってば~。そんな怖い顔しないで~』
ケラケラと笑う僕の頭を、結構な力で叩いてきた。
もうっ、蓮くんの馬鹿力!