《キミの大事な奴ら、人質にとってるんだ》


舜先輩たちが、人質……?

秋ちゃん……何、考えてるのっ……。



《今から第3体育館に来て。じゃないと生徒会のやつらがどうなるか知らないよ》



その言葉を最後に、一方的に切れた通話。

プー、プーという機械音を聞きながら、私は困惑していた。

まさか……“サラ”のことで、fatalが動いてた……?

nobleを人質にして私を呼び出すってことは……私の正体に気づいて……。

って、今はそんなことどうでもいい……!


先輩たちが、危ない……っ。


やられっぱなしとも思わないけど……でも……スマホを奪われたってことは……。

私はすぐに変装をし、部屋を飛び出した。

蓮さんや南くんに言われた、「家から出ない」という約束も忘れて——。