待ってて、由姫……。No.1を取り返したら、もう一度……俺にチャンスを頂戴。

俺は、由姫が好きでいてくれた“春ちゃん”になるから。

この時俺は、明日のことで頭がいっぱいで……。

秋人がひとり企んでいることに、気づけなかった——。








——プルルルル。

冬夜からもらった番号に、電話をかける。

3コール目に入り、でねーのかと苛立ち始めた時、電話が繋がった。



《……》



……無言。

どうやら、相手が俺だってことはわかっているみたいだった。

どうしてわかったのかは知らねーが……。



「西園寺、明日校舎外れのボロ倉庫の前に来い」



俺の言葉に、やっぱり奴は何も言わない。



「由姫もNo.1も、返してもらう」